塗装できない屋根材「レサス」
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目次
塗装できない屋根材「レサス」についてご紹介します!

屋根リフォームには、屋根塗装や屋根葺き替え工事、屋根カバー工法などがありますが、
屋根材の中には、塗装できない屋根材が存在します。
今回は塗装できない屋根材レサスについてご紹介します!
レサスとは
レサスは、旧松下電工(現KMEW)からピュアベスト(900シリーズ)として1999年~2006年まで製造・販売していたスレート屋根材です。
1990年後半〜2006年頃までに製造・施工された屋根材のほとんどは、アスベストの健康被害を危惧し、2004年に定められた規制をクリアする為に、アスベストを使用せず製造・販売されたノンアスベスト屋根材です。
ノンアスベスト屋根材は、急遽アスベストを使用しなくなった為、どのメーカーの屋根材も耐久性に乏しく、8年~10年くらいすると不具合が多く報告され、生産されなくなりました。
有名なものだと、ニチハのパミールや、クボタ(現KMEW)のコロニアルNEOなどがあります。
レサスもそのノンアスベストスレート屋根材のひとつです。
レサスには、細かく分けると複数の種類が存在します。
「ピュアベスト(900シリーズ)」
「レサス(1999〜2006.9)」
「レサス・ウーノ(レサスDX)(2001〜2006.9)」
「レサス・トレス(2003.3〜2003.6)」
「レサスTX(2002〜2003.6)」
「エコ・ウーノ(レサスECO18)(2002〜2006.9)」
それぞれ微妙に形状などが違いますが、いずれもアスベスト規制後のノンアスベスト屋根材として製造されており耐久性に問題を抱え、不具合が報告されています。
レサスの劣化症状
ノンアスベストのレサスは、耐久性に乏しく経年とともに10年前後から症状が顕著に現れます。主な症状は、これらです。
反り

ノンアスベスト全般に見られる症状で、屋根材が反り上がってきます。
ヒビ割れ

レサスに限らず、ノンアスベスト屋根材は、外的要因がないにも関わらず、経年劣化と共に自然とヒビ割れが発生します。
レサスの場合、ノンアスベストと知らずに塗装してしまうケースも多く、塗装したことよって、ヒビ割れが増えてしまっている屋根も多いです。
割れ・欠落

ヒビ割れが進行していくと、そのまま割れていきます。
割れてしまった屋根材は、欠落してしまいます。
屋根から落ちたことで、初めて屋根材の劣化に気づくケースが非常に多いです。
いずれの症状も放置しておけば、劣化は日に日に進行してゆき、いずれは、雨漏れに繋がります。
屋根材の下には、ルーフィング(防水紙)がありますので、すぐに雨漏りするわけではありませんが、屋根の防水上、非常に良くない状態で、なにより落下の危険がありますので、発見された場合は、すぐにメンテナンスをお願いしましょう!
レサスは、塗装出来るのか
知識のない業者に依頼すると、「多少のヒビ割れは補修できるので、塗装出来ますよ」などと誤った施工方法を勧めてくることがあります。
レサスは、塗装出来ない屋根材と題している通り塗装しても意味がありません。
そもそも、スレート材は、セメントを主原料にしている為、屋根材そのものに防水性がありません。
スレートは、屋根材の上に防水塗膜がコーティングしてあり、その防水塗膜が劣化してしまうと屋根材自体の劣化やコケの発生に繋がります。
なので塗装によるメンテナンスが必要になるのですが、レサスの場合、屋根材自体の作りに問題があり、防水塗膜とは関係なく経年によってひび割れ・欠けが発生してしまいます。
レサスに塗装をしたところで、一時的に見栄えは、良くなるかもしれませんが、塗膜の劣化よりも早く屋根材が、割れだしてしまいます。
なによりも、塗装する為に職人がレサスの上を歩くと割れてしまいます。
レサスのメンテナンス方法
塗装出来ない、レサスですが、メンテナンス方法は、2つあります!!
屋根葺き替え工事

葺き替えとは、既存スレートを撤去して、新しい屋根材で葺き替えるメンテナンス方法です。
下地から補修・点検できるため、費用は嵩みますが屋根の寿命を大きく伸ばすことができるため、屋根材を新しく交換するのが、最善の策です。
屋根カバー工法

レサス含め、ノンアスベスト屋根材のメンテナンスをされる方のほとんどは、屋根カバー工法です。
屋根カバー工法は既存の屋根材の上に新しく屋根材をかぶせるメンテナンス方法です。
工期が短く、廃材が少ない為、葺き替えに比べると工事費用が安く抑えられます。
屋根材を被せる前に、新規のルーフィング(防水紙)を貼るので、屋根防水が二重になるメリットもあります。
デメリットとして、既存の屋根材を撤去せずに新しいルーフィング・屋根材を被せるので、屋根の重量が増してしまいますが、軽量の金属屋根材を使用することで、重さによるデメリットは、ある程度軽減されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現在、レサス以外にも多数の塗装出来ない屋根材が多くの住宅の屋根材として使われています。
これらの屋根材は、早い段階で葺き替えるか、カバー工法でのメンテナンスをお勧めします。
今回は塗装できない屋根材“レサス”についてご紹介させていただきました。
お家の屋根材が塗装できない屋根かどうかは経験豊富な屋根工事業者であれば見極めることができます。
鈴吉ペイントでは現場経験10年以上の外壁診断士が在籍しており、建物診断・見積もりが無料ですのでぜひ、お気軽にお問合せください!
